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XMLデータベース・ソリューション適材適所

XMLデータベースの2つの側面

XMLデータベースは、現在急速に広まりつつある。従来の技術では上手く扱えなかったデータでも、XMLデータベースを有効活用することで、新たなビジネスチャンスを生み出せることが認識され始めているからだ。しかし、XMLデータベースから引き出すことができる価値は1種類ではないから、XMLデータベースを適用するとうまくいくビジネス分野を正しく認識する必要がある。

 

第2世代のXMLデータベースと呼ばれる「NeoCoreXMS」の登場以来、日本市場でも着実にXMLデータベースの導入実績が積み上げられてきた。その利用形態を分析していくと、XMLデータベースには大きく分けて2つの側面が見られるという。それを、ここでは「as XML DB」と「as DocumentDB」と呼ぶことにする。さらにXMLデータベースの普及に伴い、この2つの側面はビジネスニーズによってそれぞれ3つの活用分野に分かれることが明らかになってきた(図1)。

 

 

 

この2つの面がどのような特徴と性質を持つのか。そして、それをどう使い分けるかを理解してこそ、XMLデータベースの真のパワーを発揮させ得るのである。まずは、それぞれの側面と個々のニーズがどのように位置付けられるかを見ていこう。


「as XML DB」という側面

 

「as XML DB」とは、企業内に蓄積された多くのデータを再利用し、そこから新たな価値を引き出すために、XMLデータベースに格納するという使われ方である。この側面には

 

  • メタ情報管理
  • 組み込み
  • もともとXMLありきの業務
  •  

    という3つの活用分野で、XMLデータベースの導入実績が生まれている。

     

    メタ情報管理
    メタ情報とは、情報についての情報を付加すること。例えば、文書の本文のほかに、本文には現れない作成日付や作成者情報などを付加することで、再利用の可能性を高める手法である。商品情報や素材管理、顧客管理、あるいはWebカタログなどのビジネス分野で、XMLを使ったメタ情報管理のシステム導入実績が多い。

     

    メタ情報管理で重要なのは、必要なときに素早く目的のデータを取得する検索性、そしてあらゆる形式のデータを格納できる柔軟性を持つことだ。この特性はまさにXMLデータベースが得意とするところである。この両者の相性の良さから、「as XML DB」という側面ではメタ情報管理の導入実績が最も多いという。

     

    Webカタログ パッケージソリューション

     

     

    組み込み

    XMLデータベースは、特定の機能を提供するシステムの一部に組み込んで使うことも可能だ。例えば、CMS(Contents Management System)のようなシステムを構築する際、そのストレージ部分としてXMLデータベースを使うのは有効だろう。XHTMLで記述された文書をそのまま格納できるだけでなく、メタ情報も同時に扱える。仮にXHTMLが採用できず、従来のHTMLを用いる場合でも、変換は容易である。画像などのバイナリデータを格納することも可能なので、すべてのデータをXMLデータベースに一元化できる。

     

    ほかにもXMLデータベースを製品に組み込んだ事例として、ワークフロー管理システムがある。詳細については以下の記事「XMLデータベース"NeoCore"活用事例(1)」を参照してほしいが、ワークフローという常に変化する宿命にある業務アプリケーションでは、早くからデータ構造の変更に強いXMLデータベースが活用されているのだ。

     

    XMLデータベース"NeoCore"活用事例(1)

    ~ワークフロー管理システムに必要な非定型データは
    XMLネイティブ・データベースでなければ扱えなかった~

     

    あまり表に出てこないが、パッケージソフトの機能を強化するためにXMLデータベースを組み込むというケースは、電子カルテや自動組版という分野でも増えてきている。今後は組み込み用途での使われ方はさらに増えていくだろう。

     

     

    もともとXMLありきの業務

    これはXMLデータを格納するデータベースを核としてシステムを発想する方法である。この方法は、すでに大量のXMLデータを扱っている業務の改善に効果がある。最近、メディアで「XML」そのものが語られる機会は減少したが、現場レベルでの浸透は著しい。XMLがシステムの重要な一部として使われるケースも多く、さまざまな情報がXMLデータという形式で蓄積されている企業は、もはや珍しくないだろう。企業内の異なる部門間、あるいは企業間で保有するXMLデータを1つのXMLデータベースに統合し、横断的に検索するといった利用形態が代表的なものである。

     

    以上のように、XMLやメタ情報という切り口からシステムの価値を高めるのが「as XML DB」の側面である。これに該当するのは、複雑高度なシステムであることが多いだろう。故に「as XML DB」は、エンジニア主導で作成される規模の大きいシステムで注目される側面といえるかもしれない。

     

    では、規模が大きなシステムでなければXMLデータベースの価値が出ないのだろうか? もちろん、そのようなことはない。それがXMLデータベースのもう1つの側面である。

     

     

    「as DocumentDB」という側面

     

    「as DocumentDB」とは、電子化された文書をデータベース化し、検索性や再利用性を向上させたいというニーズから、XMLデータベースが導き出される方法である。XMLは文書管理用のマークアップ言語「SGML」から生まれたものであり、必然的に文書管理フォーマットとして優れた機能を持つ。つまりXMLを格納するXMLデータベースは、文書管理との相性が非常に良いことになる。

     

    この活用分野では、事前にXMLデータが蓄積されている必要はない。メタ情報などという難しい言葉を知る必要もない。大規模なシステムである必要もない。ここでポイントになるのは、PCユーザーなら誰もが作成するドキュメント(文書)である。それをデータベースに蓄積し、より有効に活用しようと考えたときに、XMLデータベースが役に立ってくれるのである。ここでは、

     

  • マニュアル作成
  • DTP(Desktop Publishing)
  • フォーム入力
  •  

     

    といった分野でXMLデータベースの導入実績が生まれている。

     

     

    マニュアル作成

    「as DocumentDB」の側面で、早くからXMLデータベースの導入が進んでいる事例がマニュアルの作成と管理である。マニュアルの作成では同じ構成が繰り返し使われ、管理の際は検索のニーズが高い。このような用途には、XMLデータベースがとても役に立つ。特定の条件を満たすマニュアルの一覧も容易に取得できるし、既存文書を検索して再利用することも簡単である。ここで重要なのは、XMLデータベースが単なる全文検索以上の価値を提供するということである。

     

    現在のワープロソフトや表計算ソフトは、マイクロソフト社製のOfficeシリーズ(Word、Excelなど)を使われることが多い。これらはXML形式で文書を出力でき、そこにはさまざまな付加価値的な情報を付け加えることができる。これをXMLデータベース取り込めば、例えば見出しのスタイルが付いた部分から、特定のキーワードを含む検索を行うことも容易である。エンドユーザーの使用するアプリケーションでは、データ構造を厳密に定義できないのでリレーショナルDBでは対応できない。このビジネス分野では、半定型データを扱えるXMLデータベースが必須となる。

     

    Document to Databaseソリューション

     

    DTP

    DTPの分野でも、文書をデータベース化して活用することを考えると、必然的にXMLデータベースという選択肢が浮上する。もちろん、デザインに凝った1枚きりの文書を作成するだけなら、データベース化の必要性は薄い。しかし、DTPが扱う文書は、そのようなものばかりではない。決まった書式で多数の文書をそろえることが要求されるような場合には、データベース化の恩恵が得られる。また、文書をXMLデータベースから取り出してDTPソフトで修正を加え、再びXMLデータベースに格納する使い方ができれば、既存資産の再利用性も高まるだろう。

     

    それだけではない。書式の決まった文書であれば、XMLデータベースからデータを取り出して文書を自動作成するというシステムもあり得るのだ。現に、DTPソフトとして高いシェアを持つ「Adobe InDesign」のXML機能とXML自動組み版エンジン、そしてXMLデータベースを組み合わせたXML自動組版システムは、現実のものとなって稼働しているのだ。微妙で職人芸的なデザインの調整よりも、定まった書式で素早く安く文書を作成するには、自動割り付けとXMLデータベースの連携が有効な選択なのである。

     

    新世代DTPデータ管理ソリューション

     

     

    フォーム入力

    「as DocumentDB」の世界を指向する分野には、ほかにもフォーム入力がある。フォームから入力したデータを蓄積し、それを後から活用する場合を考えてみよう。そのようなことは簡単にできると思うかもしれない。しかし、それは錯覚なのだ。フォームは使っているうちにいろいろと改良を加えるべき個所が出てくると思うが、データを格納するデータベースが変更を容易に受け入れるか否かは分からない。リレーショナルDBでは設計の変更は手間の掛かる作業になり、しかも既存のデータとの互換性が失われる。これがXMLデータベースなら、データベースの設計変更は必要なく、古いデータも新しいデータもそのまま格納できる。フォーム入力は、XMLデータベースを使うことで使い勝手が大幅に向上する事例の1つなのである。

     

    以上のように、手持ちの小さなニーズからXMLデータベースを採用していくのが「as DocumentDB」の側面なのである。これに該当するのは、エンドユーザー主導で、小規模アプリケーションやパッケージソフトなどを使う方法だろう。決してエンジニア主導でもなければ、規模の大きいシステムのための方法ではない。

     

     

     ソリューションをマッピング

     

    XMLデータベースの応用は、「as XML DB」と「as DocumentDB」という2つの側面を2つの軸とする図の上に位置付けて示すことができる(図2)。

     

    図2 XMLデータベースのソリューション・マッピング

    a:もともとXMLありきの業務
    b:メタ情報管理(商品情報、素材管理、Webカタログ、顧客情報)
    c:組み込み(CMSなど)
    d:マニュアル作成
    e:DTP
    f:フォーム入力系

     

     

    このように、実は「as XML DB」と「as DocumentDB」の例として示した事例も、もう1つの側面を部分的に含んでいたりする。つまり、すべての応用がどちらかに分類できるものではなく、2つの側面を異なる割合でブレンドしているだけだといえる。

     

    その具体的な事例が紹介されているWebページを再掲しておこう。XMLデータベースの多彩な活用例を、これらのページで確かめてみてはいかがだろうか?

     

    DTP(https://www.neocore.jp/solution/dtp.html)

    Document Management(https://www.neocore.jp/solution/dm.html)

    Webカタログ(https://www.neocore.jp/solution/web.html)

     

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