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現在、NeoCore XMS 3.0 リリースに向けて機能追加が行われている。このうち主要なものはホットバックアップ、Auto-Growth、オンラインスペースリクラメーションの3 つである。中でもAuto-Growth は、NeoCore XMS の利用性を大幅に向上させることができるものであり、利用に大きな弾みがつくことが期待できる。
■ ホットバックアップ
データベース起動中にバックアップを行う機能である。オンラインバックアップとも呼ばれる。データベースのバックアップにはこのようなホットバックアップとプロセスを停止してから行うコールドバックアップがある。ホットバックアップにはサービスを継続しながらバックアップを行うことができるという利点がある。
NeoCore XMS のホットバックアップにはデータベースのハードディスクのミラーリングの設定が必要である。Solaris ではVeritas のVolume Manager を、Windows では Microsoft のDiskpart をミラーリングソフトとして利用できる。NeoCore XMS のホットバックアップは、ミラーリングされているディスクのミラーリングを一時的に止めて、一方のディスクは書き込みを続け、もう一方のディスクのスナップショットを取得する仕組みである。ホットバックアップは管理コンソール画面から実行することができる。ホットバックアップ終了後はミラーを自動的に再開する。
■ Auto-Growth(Solaris 版のみ対応)
データベースのデータが増加した際に設定パラメータ(各種バッファのサイズ)を適切に変化させてデータがあふれないようにする機能である。
NeoCore XMS の設定パラメータとは、タグやデータのインデックスのサイズに関するものが主であるが、そのパラメータがどのような意味を持つのかはNeoCoreXMS の内部メカニズムを詳しく理解しないとわからないので設定するのが難しい。また、パラメータの意味を理解していたとしても、そのパラメータは投入するデータに依存するため、データを投入してみないことにはどのパラメータがどのくらい必要かの見当がつきにくい。単純にすべてパラメータのサイズを大きくしておけばよいというのではなく、あるパラメータを大きくすると他のパラメータも影響を受けてしまうという具合なのでなかなか厄介である。
そのため、設定パラメータを動的に制御する仕組みが求められていた。Auto-Growth はあらかじめ現在の設定値の何パーセントまでデータが増加したら設定値を増加させるかという敷居値を設定しておくと、設定パラメータを自動的に増加してくれるという機能である。パラメータの反映は即時に反映するか一定時間後に反映するかを選択できる。
この機能を用いることによって今まで厄介だったパラメータの調整作業から解放される。バージョン3.0 βでは、途中でプロセスが落ちてしまうこともあったが、製品版で安定した動作が達成されれば、製品の価値を大幅に高めることができる。
■ オンラインスペースリクラメーション
スペースリクラメーションとはデータベースを停止することなくデータのフラグメンテーションを解消する機能である。データベースからデータの修正や削除をしているとデータのマップやインデックスが不連続になる。これはファイルシステムのフラグメンテーションに似ている。ファイルシステムのフラグメンテーションを解消するデフラグツールがあるようにNeoCore XMS にはスペースリクラメーションという機能で不連続状態を解消することができる。
NeoCore XMS には以前からスペースリクラメーション機能はあったが、オフラインでのみ使用が可能であった。つまり、データベースを停止してからコマンドを実行する必要があった。バージョン3.0 からはデータベース起動中にスペースリクラメーションを行うことができるようになった。実行するとデータの再構築および再インデックス化を行う。あらかじめフラグメンテーションの敷居値を設定しておき、フラグメンテーションが設定値より悪化した場合にマップ、辞書ファイル、インデックスのフラグメンテーションをそれぞれ解消することができる。この機能とAuto-Growth 機能とを組み合わせて使うことにより、(十分なディスクさえ確保しておけば)データの増加にあわせてメンテナンスをしなくてもよくなる。
本稿では、NeoCore XMS の技術的な特徴について解説し、使用方法を紹介した。NeoCore XMS は、インデックスの設計に悩まされることなく、ウェルフォームドXML を高速に検索できるという特徴を持ち、他のネイティブXML データベースに比較して、導入の敷居は低くなっている。
これまでのバージョンには、大きなサイズのデータベースを作成する際に、試行錯誤をしながらパラメータを決めてゆく必要があるという弱点があったが、バージョン3.0 で追加されるAuto-Growth 機能によって解消される見通しである。
実用的な規模と速度を持ち、導入も容易なネイティブXMLデータベースがようやく現実のものになろうとしている。ストレージによる制約のないXML ドキュメントの自由な活用によって、読者の皆さんが構築しようとしているシステムがより自然な形で実現することができないか、再確認してみてはいかがだろうか。
■著者経歴■ | ||
林 浩一 ウルシステムズ株式会社 ディレクター 富士ゼロックスの総合研究所、日本エクセロンのプロフェッショナルサービス部を経て、現職。XMLを用いた企業間取引やSOAなどの最先端ITを活用したコンサルティングに従事。 |
宮田 泰宏 ウルシステムズ株式会社 シニアコンサルタント 通信・流通向けのUML/J2EEを利用した基幹システムの構築およびコンサルティングに従事。最近はXMLデータベースやXMLを用いた企業間取引システムに関心を持つ。2000年より現職。 |
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