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2004年にWebアンケートで「XMLデータベース使用上の課題」が調査された際、最も大きな課題として挙がったのが「技術者に開発ノウハウがない」だった(図1参照)。このアンケート実施から数年が経ち、XML DBはいよいよ普及期を迎えようとしているが、「技術者に開発ノウハウがない」という課題はいまだ改善されているとは言い難い状況にある。
図1 XMLデータベース使用上の課題(XML DB非使用者 n=716)
アンケートの詳細はこちら https://www.xmldb.jp/news/xmldb_jp_result.php
そこで、XML技術者育成推進委員会では、不足するXML DBエンジニアを育成するため、NeocoreCenterをはじめとするDBベンダー各社の技術支援を受けて、XML DBのプロフェッショナルを認定する新資格「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)」を新設する運びとなった。本稿では、新資格「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)」の位置づけ、概要などを紹介したい。
「XMLマスター」は、XML及びXML関連技術の基礎を理解し、業務に活用できる技術力を認定する「XMLマスター:ベーシック」と専門分野においてのXMLの高度な技術力を認定する「XMLマスター:プロフェッショナル」の2つのレベルの認定で構成されている。
これまでの「XMLマスター:プロフェッショナル」はXMLを使用したアプリケーション開発、システム構築のプロフェッショナルを認定する資格のみであったが、XML DBのプロフェッショナル認定の需要も高まってきたことから、従来の「XMLマスター:プロフェッショナル」は「XMLマスター:プロフェッショナル(アプリケーション開発)」と名称変更し、XML DBのプロフェッショナルを認定する「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)」を新設した。これにより、「XMLマスター:プロフェッショナル」の資格はアプリケーション開発者向けとDBエンジニア向けの2種類となった。
図2 XMLマスター新資格体系
新資格「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)」は「XMLデータをデータベースに格納、管理、操作が行えるプロフェッショナル」を認定する。「XMLマスター」はベンダーニュートラルな資格のため、特定DBMS製品に依存することなく、XQueryをサポートするどのXML DBMSにも必要となるコア技術力を認定する。新資格を含むXMLマスター3資格の資格内容と認定条件を表1に示す。
表1 新XMLマスター認定の種類と認定内容、認定条件
認定の種類 |
内容 |
認定条件 |
XMLマスター: ベーシック |
XML及びXML関連技術(XML Schema, XSLT, XPath, DTD)の基礎を理解し、業務に活用できる技術力を認定 | 「XMLマスター:ベーシック試験」の合格 |
XMLマスター: プロフェッショナル (アプリケーション開発) |
XMLデータ処理を行うアプリケーションの開発、システムの構築を行なえるプロフェッショナルを認定 | 「XMLマスター:ベーシック試験」及び「XMLマスター:プロフェッショナル(アプリケーション開発)試験」の合格 |
XMLマスター: プロフェッショナル (データベース) |
XMLデータをRDB、またはXMLネイティブデータベースに格納、管理、操作が行えるプロフェッショナルを認定 | 「XMLマスター:ベーシック試験」及び「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)試験」の合格 |
新資格「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)」は「XMLマスター:ベーシック試験」「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)試験」の両試験の合格が認定条件となる。
試験時間は90分間、合格ラインは80%。「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)試験」は現在開発中で、2007年12月よりアール・プロメトリック試験センターで試験が開始される。新試験を含むXMLマスター3試験の試験時間、合格ライン、出題範囲を表2に示す。
表2 XMLマスター認定試験の試験時間、合格ライン、出題範囲
試験名 |
試験時間 |
合格ライン |
出題範囲 |
「XMLマスター: ベーシック」試験 |
60分 | 70% | ● XML概要 ● XML文書の作成 ● DTD ● XML Schema ● XSLT,XPath ● 名前空間 |
「XMLマスター: プロフェッショナル (アプリケーション開発)」 試験 |
90分 | 80% | ● DOM/SAX ● DOM/SAXプログラミング ● XSLT ● XML Schema ● XML処理システム構築技術 ● XML要素技術の活用 |
「XMLマスター: プロフェッショナル (データベース)」試験 |
90分 | 80% | ● XMLデータのDB化に関する概要 ● XQuery、XPath式 ● XML DBの操作 ● XMLデータ構造の設計 |
「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)」試験は、2007年12月より開始する。新試験の出題範囲を網羅した講習会、書籍などは2007年秋頃より順次リリースされる予定である。ただし新試験に対応した講習会、書籍などはいずれも①DBの基礎知識、②XMLの基礎知識を前提としているため、①DBの基礎知識、②XMLの基礎知識がまだ身についていない方は、あらかじめこれらの知識も身につけておいて欲しい。また「XMLマスター:ベーシック」の取得が前提となるため、「XMLマスター:プロフェッショナル(データベース)」取得を目指す方は、まずは「XMLマスター:ベーシック」資格を取得しておいていただきたい。
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